JCO版私の履歴書 #004 ライフオーガナイザーひと宮 服部ひとみ (文字起こし)

不用品を無駄なくリユース・リサイクル

はいこちらになります。急に荷物が・・・(笑)

これは作業場ですか?

現場に行かせてもらうことが多いんですけど、お客様の家で片づけをするとやっぱり不用品、要らないモノってたくさん出てくるんですよね。で、特に3つ気になっていることがあって。
まず1つは「衣類」ほとんど、きれいな状態なんだけど、着ないとか着れないという衣類。
そして2つ目が、壊れてないんだけど、子供が成長したからとか、使う人がいないから…という「不要品」
最後が「プラスチック」収納ケースや収納ボックスってほとんどプラスチックなもの多いですよね。
この3つの不用品を引き取ることが多くて。要らないモノを置いておくと片づけにならないですし、置いておけばいいということにはならないですし。
引き取ってそのまま処分するごみにするのって、何となく世界がSDGsに取り組んでるときに、片づけってすごく大事なコトだけれど、片づけを進めるにあたって、行きつく先がゴミを増やす、捨てるものを増やすというふうに流れていくのって、考え方としてちょっとこれってこれからの・・・

矛盾が生じるというか

そうなんですよ。矛盾をすごく感じていて

でもひと宮さんは古物商とかリユースなどもしているから余計感じることなのかもしれないですよね。

そうかもしれないですね。結局その手放した先のモノたちをどうするかというところに、ここ数年はすごく重きを置いていまして。
せっかくだから活かしたら?とか、せっかくだから使える手段として何か考えたら?といっても、実際どうしていいかわからないし、要らないしってなるじゃないですか。
それを自ら何かできないかなと思って最近始めたのが、こちらの画像です。

お人形さんが並んでるみたいですけど・・・

この(右側に並んでいる)お人形もお客様の家から引き取った、お子さんが遊んで不要になったモノですし、真正面のワゴンには、ボンドや工具といった材料が入っているんですけど、これもほぼお客様の家から引き取った使いかけのモノや、100均でちょっと買って使ってみたけど・・・といったモノ。ビーズなど買ったモノの時間がなくて置いてあったものなんです。

よくありますよね。お昼の番組とかで、今これが流行ってます!とか、こんなに安くこんなもの出来ますよ!というのを観て、そのまま100均に行ってくるけど、結局ほったらかしという状態。

そうなんです。だから買ったまま袋を開封していないものや不用品、衣類などを引き取って、形を変えて、また次に使ってくれる人に回せたらいいな。というのを、楽しくやっている姿を見てもらえないかなっというのがきっかけで、人のお洋服をリカちゃん人形のお洋服のサイズにして、お人形さんもきれいにして、また次に使ってくれる人に回してもらおうという活動をしています。
ちなみにですね、写真にあるミシンとアイロン以外は全てリユース品です。

お~!小耳にはさんだんですけど、今日はちょっとお顔しか拝見できてませんけど、いつもリユースファッションで身を包まれているという情報も。

そうです、今日もです。

リユースを自分の人生の中で大事なものとして自分で体現しているといった感じですね。

あの、2枚目の写真あるじゃないですか。あれもテレビ以外は全部リユース品です。

モデルルームみたいなお部屋なのに、実はテレビ以外はリユース品!
ほ~・・・一般の人の、「片づけのプロ」のイメージとは真逆をいってるようなところがあって、捨てるの苦手な人にとっては興味津々ですよね。

本当にモノの活かし方を体現していますね。

お客様にとっても、自分自身が捨てられないから取っておいてとか。いつか使うかも。といったモノを、片づけのプロにサポートしてもらいながら、要らないものを引き取ってもらい、さらに必要な人に届けてくれるっていうのは、気持ちも楽になりやすいですよね。

お洋服を引き取ってリカちゃんに着せるよというお話がありましたが、例えば、思い入れのあるお洋服を、ご自身の持っている人形に着せてあげる。ということもこういう活動をしていると出来ますものね。

作業台の上に青色の生地があるじゃないですか。これもお客様から引き取ったお洋服をカットして、その方は先日結婚されたんですけど、結婚式のドレスに仕立てて、この生地で作ったドレスを着せたリカちゃんを飾ってもらいました。

へ~!すでに片づけのプロという範疇を超えて、冒頭におっしゃってた。まさにドール制作アーティスト!

お洋服だけじゃないんですよね。箱についていたリボンや布団を縛っていた紐なんかもつけていくんですよね。

はい。そうです。

今後こういうSDGsを意識した活動に力を入れていこうと考えているんですか?

今年から1番力を入れているのが、先ほど不用品で気になっている中に挙げたプラスチック製品。同じプラスチックの収納ケースといってもちょっと形が違うと、使い勝手も全然違ってくるじゃないですか。ケースだったらなんでもいいわけではなくて、片づけのプロとしては最善の収納ケースをご紹介したい。でもそうなるとどうしても不要なプラスチックケースが出てきてしまうんです。
それをそのまま処分するのではなくて、これを原料に戻せる会社、またさらに製品にできる会社とタッグを組んで、プラスチックの再利用、循環システムを整えたいと動いています。

壮大な!

そう、今お役所にもかけあっていて、まずはリサイクルとして回収する施設もつくらないといけないですし、ちゃんと原料に戻せる会社に流れるように、循環できるように、地元の企業さんたちとタッグを組んで、お客様から出た不用品が、そのままちゃんと活かされる。そんな流れを作りたいなと奮闘しています。

すごい!岐阜県でしたっけ。岐阜はその部分が1番進みそうですね。

頑張りたいですね。

片づけのプロの仕事では、片づけをして要らないものをそのままお宅で処分してくださいね。というのが圧倒的に多いと思うんですね。そのモノ(不用品)の先というのを服部さんが考えてると思うと、ワクワクするし、期待感が沸き上がってきます

今後はそこまで考えて片づけのサポートします。というのが必要になってくるのかもしれませんね。初回の飯田先生もおっしゃってましたけど、環境問題も、ちゃんと視野に入れて活動していくというのが、片づけのプロの仕事には必要ですよね。
行動にちゃんとうつしているというのが、素晴らしいと思います。

なかなか正直お役所に掛け合うの難しいですよね。

はい、根回し根回しで固めていってます。

先ほど仕事をすることにご主人反対していてといった話がありましたが、今はどうですか?

どうせやれるわけない。とか壮大なことを・・・と言われていたし、さらに頑張りすぎて楽しくなっちゃうのを知っているので、家庭のことをおろそかにしてしまうんじゃないかというのをずっと言われていたんです。でもそこは家庭とお仕事のバランスはずっとテーマとして意識してきていて、仕事だけにならないようにしていたら、今はすごくサポートしてくれています。ありがたいです。

ブログを拝見すると、ご主人のことやお金のことを赤裸々に語りながらも、全てにおいて楽しんでいる印象だったので、今日お話伺って、その印象通り素敵だなと思いました。
最後に。服部さんが片づけサポートで1番大切にしていることを教えてください

片づけはやれと言われてするものではないと思うんですね。私の中のテーマで、片づけって自分の好きを素直に表現する場じゃないかな。と。なのでとにかく私が楽しんでいる姿をこれからも見ていただきたいと思って、頑張っていきます。

不用品の行き先。これが気になっている片づけのプロは少なくないはず。
でもそのモノの行き先を案じるだけでなく、自身の手で新たな命を吹き込み、次の人に届ける。さらに収納には欠かせない収納ケースの再利用まで考え、実際行政にまで掛け合うというのは、そう簡単にできることではありません。たくさんの苦労もあるはず。
それを笑顔で語り、笑顔で実行する。服部さんはこれからの時代にぴったりな、まさに最高の片づけのプロだと感じました。