JCO版私の履歴書 #012 Ritta Stanza 中山真由美 (文字起こし)

初めて「捨てない」というタイトルの本を出版

そうです。これが去年の11月に出させていただいた本です。
初めて「捨てない」というタイトルで出させていただいたんですね。このタイトルの意味なんですけど、整理には2つの意味があるというのを整理収納アドバイザー2級で学んでいまして、1つ目が「不要なモノを手放していく」もうひとつは「区別する」という意味。
今回は「区別する」という意味の整理を重点的に考えて書き下ろした1冊です。

それまではこういう捨てない片づけのテーマはないといういうことですか?

ないです。これまでは全部出して、不要なモノを手放してなど、捨てるものを探すより、必要なモノを見つけていくんですよ!っていう“優しい”中山さんでいたんですけど、コイン会はもっと優しくなりまして。要はいろんな現場行っても、一気に手放せる方は本当に稀で、自分で捨てられるんだったらある程度できるんですよね。

そうですね。

で、苦手な人にどうアプローチしていくかがずっと課題だったんですよ。
そこで順番はね、先ほど不要なモノや好きなモノをピックアップということはあるんですけど、それをする前に「区別」して自分がどのぐらいモノを持っているか知ることで、勝手にお客様が自分で捨てるようになったケースをかれこれ7年前ぐらいから経験をしていまして、だからそれから私の作業はあまり「捨てなさい」とはいわないんですね。
勝手にお客様が気づいて、自分で「要らない」と思ったら捨てられて、それを知ることでリバウンドしていかなくなるんですよ。なので、まず、この帯にも「片づけマニアの方は読まないでください」と書いてあるぐらい、苦手な人の救いとなるような、癒しの本になればいいな。と思っていて。1個も捨てずにこの本は仕上げました!

おー・・・ではこの本には実際に事例が乗っているということですか?

はい。お料理本みたいに片づけレシピみたいな形で載せているんですが、この本で使った収納グッズのリストなども全部載せて、初めての方がこの本を読んでも大丈夫なようにしています。ほとんど写真です。

ほ~。でいっぱいほんとにモノがあるお家を、スッキリさせるいわゆるビフォーアフターいっぱい載ってますけど、どこの家庭でもほんとに1個も捨ててない?

1個も捨ててないんです。だから苦しくて苦しくて。ほんっとにもうここまで(のどのあたり)捨てればいいのに…ってここまで出るんですけど、この本は本当に片づけが苦手な方で、ある意味ご高齢の方でもわかるように、字も大きくして、できるくらいにさせてもらったので、今までの本で1番苦しかった本です。

ではこの本はほんとに分けて分けて、いわゆる使っているものは近くにおいてそうじゃないものをなんかこう収納の工夫で移動させてっていう感じの進め方ですか?

そうです。使用頻度をめちゃめちゃ細かく分けまして、調理器具でも、1軍2軍3軍・・・みたいに分けまして

4軍5軍(笑)

4軍5軍行っちゃうとさすがにこれは迷いボックスに行きましょうかとか、さすがにもう言っちゃいました。はい。それで定位置を決めていきました。
で、苦手な人ほど空間が余るんですよね。整えていくと。そこを上手に活用して、整理収納アドバイザーでいうと使用頻度6ボックスっていうんですかね。あと雑誌とかでいうと迷いボックスとか、グレーボックスとか先生方がいろんなネーミングつけてらっしゃいますが、そういったボックスを用意して、そこに入れて、まずはルールを決めましょうということで、ルールを見直しながら、どんどん出口を広げていくような流れにしています。

素晴らしい

片づけのプロを呼ぶと「捨てろ」と言われそうで怖いという方も結構いらっしゃる世の中なので、そういう方たちにとっては救世主的な本ですよね。

救世主になりたいなと思うぐらい。私もそうだったんで。私自身も1回リバウンドしているんです。あの、自分で決めたんですけど、捨てたくないものまで捨てちゃったんですね。

あ~・・・勢いがついてるときって、特にそのプロの本を読むと1年間使っていないモノは、とか〇〇だったらとか書いてあると、自分の基準じゃなくて、やっちゃわないと!って勢いづいて後からはたと気づいてこれも必要だったのに、あれも必要だったのにと、また買ってしまうといったケースもありますよね。

そうなんですよ。そういう経験もあったので。
たまにはね、同じようなタイトルの本は世の中にたくさんあると思うんですが、最終的には「捨てる」とは書きたくないなと思っていて、まずは「区別する」と出口を決めていくルールというところに絞り込んで書いていきました

本当にもう片づけマニアなら捨てたくなるけど、その方たちは対象じゃないから

対象じゃないとさせていただいている。片づけのプロが読んだら「何言ってんねん」ってすごく怒られちゃうレベルの(笑)本当に片づけが苦手な方だけに読んでいただきたい。
あとはお仕事でそういうお客様と出会った時にどうしたらいいかの参考資料として読んでいただければと思います。

中山さんって本も講師業も、さらには商品開発もされている。年々若返ってますよね。

ありがとうございます。それは皆さんもそうじゃないですか?

私のこれはZoomのフィルター機能が若返りをしているだけなので(笑)

私もしているんですけど(笑)みちこちゃんが実際に会ってそう思ってくれているのなら、嬉しいなと思うんですけど、整理収納をしていると余裕が出てくるんですよね。
あの、自分の衰えにある日びっくりしたんですよ、電車に乗って吊革につかまっていたら、ほうれい線がこんなで、しわがこんなんになっちゃったときに、美容の方もちょっと気をつけないといけないなと思ったのがありますね。
なので若返るように、主人もまだ30代で若いので、だから捨てられないように頑張ってます!アクティブ領域に常に入るようにしています(笑)

本当に真由美ちゃんは個人的にも大好きな片づけのプロでもあるんですが。忙しくてもいつでもキラキラしている。その仕事に打ち込めるパワーの源を教えてください。

パワーというのはやっぱり家族かなって思っていていまして、あの、家族でご飯を食べることはなるべくするようにしているんですね。
そこで忙しいと夜はやっぱり一緒に食べられなかったりするんですけど、子供も大きかったりすると、でも朝だけは一緒に食べようというルールがありまして、そこで一緒に食べたりとか、そこで時間があるときは親の力を使って一緒に出掛けてもらったりとか(笑)
家族のきずなというのが、一度離婚も経験しているので、すごく大切にするようにしていまして、困ったことや悩んだ時に「うんうん」って聞いてくれる人を大事にしていたりとか。、
あと1番は「食べ物」です!
そうだ私食べることが好きなので(笑)

今いい感じに家族がパワーの源っていうことでまとまりそうだったのに(笑)

そう食べ物が最高に、おいしいモノを美味しく食べていたいっていうのが

それを家族と一緒にっていうのが(笑)

あ~!そうですそうです!はい!あの「家族と一緒においしいモノを食べる」それが私の元気の源だと思います(微笑み)

最後にこれから片づけのプロになる方へのエールを送っていただけますでしょうか。

今ご活躍されている方がたくさんいらっしゃるので、まず自分がどの分野で活躍していきたいのか。みんなと同じでなくていいから自分が得意とするもの。それが人と同じであってもやっぱり自分色っていうのなかなか見つけることできないかなって思ってはいるんですが、自分が没頭したいことや本気でやりたいと思ったことを追及していただいて、前向きに。できないと思わないで、できるイメージをしながら、ぜひ片づけのプロとして頑張っていただきたいなって思っています。

真由美ちゃんはいつでも笑顔。食事を一緒にしていてもパートナーとののろけ話においしい食べ物の話、美容のこと・・・まるで毎日働かずに遊び歩いているかのよう(笑)
でも実際は片づけのプロとしてとんでもなく働いて、商品開発や整理収納作業を行っている。たくさんの困難も乗り越えている。
地道な努力があるなんて微塵も感じさせないぐらいの笑顔。でもこれって実はとても難しいこと。そしてその笑顔と彼女の整理収納のスキルは、企業からの信頼も得て、たくさんの人を幸せにしている。難しいことを難しい顔せず、さも簡単な風にやってのける。まさに史上最強の片づけのトッププロだと私は思っているのです。(あさが)