『JCO版私の履歴書』。片づけのプロに過去現在未来の3枚の写真をもとにご自身の半生を紐解いていただく企画です。
第1回のゲストは、飯田久恵先生。一般社団法人収納カウンセラー協会そしてゆとり工房代表。「整理収納・片づけのプロのパイオニア」であり、JCOの名誉会員です。
「飯田久恵でございます。第1回目、どうすればいいのでしょう。喋りすぎないようにします!長老ですから!」そんなトークで始まった飯田先生の私の履歴書。
今回は木目が優しく、囲炉裏が似合いそうな、現在お住まいの群馬にあるご自宅から収録に臨んでくださいました。
ターニングポイントは町田貞子先生とお会いしたこと。飯田先生がロジカルなのは前職の影響??
結構3枚選ぶのが難しかったと思いますが
材料(写真)がちょっとここ(群馬)になさ過ぎて・・・
すでに1枚の写真じゃなくていっぱい集まった写真ですが、飯田先生なのでOKです。(笑)
すみません。絞れなかったんです。
整理収納の片づけのプロパイオニアとして様々な経験をされてきた
私が収納の仕事をしようと思ったきっかけなんですが、子供が小学校上がって時間ができて、システムキッチンの設計の仕事を始めたんですね。その時、「収納は形は入れ物ばかりじゃない」ということで。会社に生活評論家の町田貞子先生をお呼びした。その町田先生とお会いしたのがこの仕事をやろう!とターニングポイントでしたね。
先生に会社に月1回来てもらってお話を伺うことになったんですが、その話にすっかり共感しましてね。
なぜ共感したかというと、「自分の暮らし」に収納がとても重要なことなんだということを、なんだか認めてもらえた感じがしたんです。世間的に私だけの問題だと思っていた。
というのも、転勤や引っ越しが多くて、そのたびに収納をあっちにこっちにと見直したり・・・
実は子どもが小さい頃は貧血になることが多くて思うように動けなかったんです。そういう経験や、引っ越した時、間取りがいろいろまして。すごく小さいけれど住みやすい家。たくさん収納はあるけど、使いにくい家というのがずっと体の中でどこかに眠っていたんですね。
それで町田先生のお話をいろいろ伺っているうちに「あぁ、昔困ったなと思っていたこと、それが収納だったんだ!」というのが甦った感じです。町田先生の著書が「暮らし上手の家事ノート」これは今も持っています。
そして会社で設計を行っていたんですが、実際も施工してお客様の家に伺ってみると、
「何と支離滅裂!」「なんでこんなところにお鍋入れているの???」とか、こっちも見てください!ということで、そちらを見たら収納がたくさんあるのに、全然使った形跡のないような入れ方をしている。それを見て、いくら収納があるといっても、入れることが収納だと思ってる方がたくさんいらっしゃるんじゃないかな!と思ったんですよね。
ちなみに何年前?
37~8年前。この頃から目覚め始めましたね。
それで会社では、モノを作るだけじゃだけよね。ということで収納を教える仕事をやってみよう!と女性陣が集まって始まったんです。でもどうやってやるか確立もしないうちに、そのうち来ちゃったの!お客様が!
「どうすんの?誰がやるの??え?飯田さんがやってよ!」という感じで、とりあえずお客様のところに行きました。そしたらやっぱりモノが多いんですよ。どう入れたらいいかわからないし、捨てるという意識も全くない方が多い。
そのうちその会社がちょっと調子が悪くなりましてね。そんな儲からないソフトはやめてくれて言われまして。でもこれ(収納)ってすごく重要な仕事なんだけどと思い、
「じゃあ私辞めます!自分でやります!」ということで、自分で会社を作り始めた。
それが1990年ですね。
そうですね。でね、なんていう社名にしようかな?なんて社長さんと話したりして。で、その社長さんが、「わからないけど整理収納株式会社なんてどうだ?」といわれたんだけど、ちょっと待ってよ?何のために捨てるんだろう。と思った時に、やっぱり時間とか空間とかきもち、自分にゆとりが欲しいからやるんですよね。
と考えてみたらこれ「ゆとりだ!」「ゆとりを作る」「ゆとり工房じゃない!!」ということで、社名を『ゆとり工房』にしたわけです。
そのうちどんどんどんどん取材の依頼が入るようになりました。
私自身、自分の家の収納が充実していなかった。仕事へ行くとき、設計を習うときも、仕事(家事)を全部終わらせて行ってないわけ。で、これって何だろうと考えた時、もうちょっと早く掃除機をかけられたらすぐ終われるな。とかいろいろ見ていくと結構収納につながっていたんです。それで捨てるということから始めたらすごく効率が良くなりましたね。
そしてやっぱり、システムキッチンの設計がすごく面白かったので、これって収納を充実させれば、家事の主は女性なので、そうなると、女性をはばたかせることができるな。やりたいことができる人になってもらいたいな!という想いがあって、絶対重要な仕事だと自分で思いました。
その背中を押してくださったのが、町田貞子先生。
先生とは会社を離れてからもよく遊びに行っては、色々お話を伺っていましたね。
そういうお話が数えきれない位の著書につながっていくわけですね。
それが、あんまりつながっていなくて(笑)根本的なところではベースは指定席という考え方。それが一番。でもその指定席という一つの言葉だけでは、自分や町田先生はできるけれども、できない人にどうやってお伝えすればいいんだろうとしっかりと考えないといけないということで。どういった順番でやっているのかな。と自分で考えてみたら、目に見えないものを目に見えるようにするという癖がついていたんです。というのは、結婚前の仕事で、コンピューターのプログラマーをやっていたんですよ。
エーッ!意外!
フローチャートにするんですよ。掛け算だって今はすぐパソコンでできちゃうけど、
掛ける数と掛けられる数があって、それをひとつずつ足して、足すものがなくなったらはい終わりですよ。というルーチンみたいなものを組むんですよ。
だからこれを見える化するためには、プログラム化すると良いんだと思って・・・
だから収納指数なんですね!
それもあります。それであの1番シンプルにしたのが、「モノが片づく5つのステップ」だったんです。その中の、モノのだし入れの関係するステップ3が収納指数という言葉。
やっぱり前進の仕事がつながっているというのが飯田先生の本に感じられます。ロジカルというか
はい。たぶんそれがないとそういう発想はなかったような気がします