JCO版私の履歴書 #001 日本収納カウンセラー協会代表理事 飯田久恵 (文字起こし)

群馬で暮らしてさらに強く感じる地球温暖化と収納の関係性

未来を考えていくうえで先生のお写真を拝見したい

未来ね。もともと夫婦で田舎暮らしをしたいなという希望がありまして。それで先に一応別荘としてここ(群馬)に建てたんですけど。夫が家庭菜園が大好きになっちゃって、「私あっちに住む」って言いだして。定年退職してから。「そう?どうぞ!みたいな」(笑) でも私も実は住みたいなと思っていたんですけど、仕事もなかなか離れてはできないし、行ったり来たりの生活かな。なんて思っていたものの、その行ったり来たりがあまりできなかったんですよね。
で、そんな風に自然が大好きでいて、何が今非常に重要なことかと思っているのが、地球温暖化ですよね。
しろくまさん。氷が解けて、餌がとれないんですよね。あと、氷河が溶けてなくなっている。
それは海流を違う海流にしちゃったり、海流が起こらなくなっちゃったり、すごくいろいろなところに影響してくるんですよ。
人類の食べ物にも関係してくる。それをすごく身近に感じるというのは、やはり田舎に暮らすということかなと思うんですよね。で、田舎に暮らすとあまり物質の物欲がないんですよ。でもそれって経済活動を抑えちゃうじゃないですか。
モノがあるということは収納ですよね。実はこの地球環境の考え方と収納というのは全く関係ないわけではない。

むしろ密接につながっている

そうなんですよ。収納することで、そこにも気づいていただきたいなぁ。という想いがあります。例えば食べ物だけ考えたとしても、フードロスって結構ありますよね。

ありますよね。社会問題ですよね。

そう、あれも収納が悪いからというのがありますよね。ちっちゃいところですけど。冷蔵庫の中で、何が入っているのかわからないような状態だったら、結局食べ残しちゃったりするじゃないですか。
あとやっぱり何が大切かって、自分の価値観とモノというのをイコールにしておかないと、何が大切かわかんないですよね。
そういう意味では収納をきちっとして、自分の価値観をしっかりと見据えて、こういう地球温暖化につながる、要らないもの持っている。作るということは経済活動がある。エネルギーを使うとイコールですからね、そういうところに気づいていただきたいな。という想いがすご~く強いです。
だから、収納でなんで急にこんな話?ってなっちゃうんですけど、順番に訊いていただけるとね。

(整理収納片づけの仕事は)環境問題に密接に関わる仕事って言えますもんね。

そうなんですよ。2冊目で「捨てる!快適生活」(三笠書房)という本を出させていただいたことがあったんですけど。あっ、捨てるということを、とにかくお伝えしないといけないという想いで書いていたら、辰巳渚さんが先に出版されて(笑)もうお亡くなりになってしまいましたけど、親しくお友達になりました。

―話は戻って

仕事を始めた時から、そんな思いがあって、最初にその前書きに書いたんですけど、出版社から削られました(笑)

その当時は出版社側からすると、書いてほしくない。必要としない言葉だったんでしでも逆に今からは、SDGsなども叫ばれているので、逆に消されている一文が今後は私たちの仕事では冒頭にみんなが書くのが当たり前のようになっていきそうな気もしますよね。

ね。なると良いですよね。

その辺りは飯田先生にバックアップしてもらいながら、発信できたらいいな。と思っているんですが

はい!できる限り。もう突き進みたいな。と思っていますね。

今、片づけのプロになりたいと思っていたり、片づけで部屋を変えたいという想いがある方というのは、あふれている気がする。
目先のところでとらわれがちな部分。でもこれをすることによって地球が変わっていくというのはすごく重要な発信であると感じたんですが、これからまだまだプロになりたい人に向けて何かありますか。

そうね。目先をきれいにすることもとても大事なんですけど、そこだけでは最後まで行けないよ。ということを知っていただいたうえで、この仕事についていただきたいという想いがあるんですよね。

同感です。

ありがとうございます。

最後に。先生にとって整理収納片づけとは?

そうですね。やっぱりよく本にも書くんですけど、人生そのものじゃないですか?
だってモノっていうのは自分が何かするための道具ですから、何かをするというのはその人の人生じゃないですか。だから、住まいの整理は心の整理というのはそこから。と思っていますし、人類が道具を使う限りは必要なことだと思います。あと、パソコンの中の情報もモノと思えば、本当にこの仕事は重要な仕事じゃないかな。それをもうちょっとこの世間に重要性を知らせたいですね。

ありがとうございました。

飯田先生はJCOの定例会でも、どんな場でも笑顔でいつも穏やかで柔らかい方です。もちろんお話をする際も。整理収納・片づけのプロのパイオニア。初めてこの仕事を創った方と思うと、きっとご苦労もたくさんされたことでしょう。
でもそんなことはみじんも感じさせない。「柔らかさが強さに勝つ」そんな印象を受けるのでした。

(事務局あさが)