JCO版私の履歴書 #002 日本収納デザイン協会代表理事 田中明子 (文字起こし)

お客様とのトラブルを乗り越え、信頼でつながり拡がる仕事へ

廃業寸前?これが?めっちゃにこにこ笑ってますよ

あの、廃業寸前というか、廃業しようかな。と思うぐらい仕事がうまくいかないというより、トラブルがあって、仕事をする意味があるのかなぁ・・・と自分で迷う事件がこの写真の前にありまして。

ちなみに先ほどの専業主婦時代から起業して、起業後何年後ぐらいのお話ですか?

えーっとですね。7年後ですね。

ということは今からどれくらい前?

今から5年前ぐらいです。

5年前ということは割と最近ですね。

最近ですね。なので、起業してから大きなトラブルというか・・・

何があったんですか?聞いてもいいんですか?

まぁお客様とのトラブルというか・・・そういったことは皆さんあたることあると思うんですね。法人様であれ個人様であれ、非常に深いところにい入っていくお仕事じゃないですか。
そんなつもりはなくても、片づけを進めていく過程の中で、個人のお宅でも会社でも見なくていいモノを見たりとか、じゃぁそれを、蓋を広げた、パンドラの箱が開いた。
ではそのあとどうしていくかということを一緒に考えていくという過程で躓いたというようなことがあったわけです。
で、あの・・・多分皆さんそういう経験って、このお仕事していると、片づけだけのつもりがそれ以上に深入りというかどんどん入ってしまう案件ていうのはあると思うんですね。

人間関係にこう良くも悪くも巻き込まれるというか、自分から飛び込んでいくというか

間違いないです。自分が風呂敷を広げてしまったばっかりに、っていう案件ではあるんですけど。
なので、そういったことのトラブルがあって本当に私はこの仕事をしたいのかな。とか向いてるのかな。って思う時期って誰しもあったかもしれないし、これからあるかもしれないですけど。
本当にやめようかなって3か月ぐらい結構悩んでいて、どうしようかなって思っているときに、同じ勉強会でご一緒した、この先生、滋賀県草津市のアキヨシデンタル(歯医者さん)とい方なんですけど、同い年ということもあっていろいろ話している中で、
「僕のクリニックにも田中さんに入ってもらえないかな?」とお声がけいただいて。
結局どんなことがあっても仕事で躓いたことは、仕事でしか解決できないな。という経験だったんです。
で。こちらの医院へ入らせていただいたことによって、私は医療の業界に入っていける機会にもなりましたし、辞めようと思っていたけれども喜んでいただける方がいることを再認識できたっていうタイミングの写真になります。

この写真の前は個人宅が多かったということですか?

いえ、個人のお客様はこの時点ではたくさんはやらせてただいてなくて、法人さんをメインにやっていました。

医療現場が初めてだったということではないんですか

ではないですね。歯医者さんがこのタイミングで初めてでした。で、この後たくさんご紹介いただいたりとか、歯医者さんのお友達は歯医者さんなので、またご紹介いただいて、たくさん歯科医院をやらせていただいたきっかけにもなったというわけです。

廃業を考えるぐらいだったのに、いくらその仲良くなったといっても、クライアントではないですか。そのとき葛藤はなかったですか?この案件で最後にしようとか。

当時はそう思っていたかもしれないです。このお仕事やらせていただいたらもういいかな。と、まぁそういうのはあったかもしれないです。

最後だから一生懸命やってこの仕事を終えてしまおうぐらいの勢いだったかもしれない

かもしれないですね。

でも結果、「最後や!」と思いながらやった仕事がうまくいって、どんどん紹介につながっていったみたいな感じですか?

そうですね。あの、あきよし先生のところをやらせていただいている最中にもうご依頼いただいたりですね。完結も完了もしていないんですけども、非常に興味があるとご依頼してくださってね。

それはいわゆる片づけでいうビフォーアフターのアフターをみて、お願いしようみたいなものではなく、あきよし先生のところに入って作業をしている明子さんの姿勢などを見て信頼されたということなんですか?

これはたまたまなんですけども、あの、たいていお休みの休診日に作業させていただくんですけど、スタッフさんもその日に出勤してくださったりして、指導をしながら作業をさせていただくんです。その時に他院の先生が施設見学というかクリニック見学にいらしてて、「先生何してるんですか?」みたいに聞いて。
「僕も困っていてやりたいと思っていたんですよ」ということで、次のご依頼いただいて。あの、正直この環境整備にお金を使う片づけにお金を使うということは、まだまだ医療業界だけではなくて、他の会社にしてもあまりないことだと思うんですね。
常識的にお金を使うというようなことではないと思うのですが、やっぱり新しいことや、これまでなかったこと、みんなが困っていることに挑戦しようと思われる先生たちはそもそもが良くできる経営者でもあるんですよね。
となると、影響力があったり、売り上げが高いクリニックといった先生方が周りにいらっしゃる、勉強熱心な方が多いので、そういった中で、「うまくいってる。だけど片づけはうまくいってない」という先生がお客様になってくださった。
そもそもの潜在的なニーズとして、歯科さんは物品が多いので、慣れないというのは先生が悩めるところですし、現場が女性ばかりなので、女性に片づけてよというのが言いにくかったりとか。そういったところも含めて、歯科さんは潜在的なニーズがあったのかなぁというところですね。

そんな辞めようかな、と思ってからの、今もですけど、ここからの活躍はすごいですよね。

そうですね。やっぱりあの、ザクっとすてたらザクっと入ってくるというその通りじゃないですかね、

メインクライアントの70%が病院。でも大々的に宣伝をしていないですよね。

営業活動や広告宣伝とか、あまりなく、そこに力を注がなくていいのは非常に助かっています。

信頼関係があって口コミが広がるというのは、片づけの業界の人たちが目指すところであり難しい所でもあると思うのですが、成功している秘訣は何ですか?

片づけ自体がビフォーとアフターという意味ではものすごく成果を見てもらいやすいですよね。たまたまですけど、歯科に関していえば潜在的なニーズがあって、かといってサービスを提供する人がいなかったというところに、タイミングとしてはがっちりあった。というか。それは「運」といってしまったら「運」なんですけども、やっぱり必要とされているところはあるということですかね。
片づけにお金を払うなんてという常識の中に自分が入らないことが大事かな。と思います。

外部から第三者として明子さんの仕事の話を聴いていて、本当に1件1件お客様に100%満足していただくというのが、結局は次につながっている気がしますね。

そうですね。これは今13年とかやってきて、やっぱり誠実にお答えしていくということは、うちのスタッフにも伝えていきますし、大事にしていますね。
スキルよりも、もちろんスキルはベースにあって当たり前なんですけど、プロなので。
やっぱり誠実に応えていくことで得られる信頼というのは、信頼はお金では買えないですし、買ってもらえないので、誠実に1つ1つしていくことが大事かなぁ。とより思いますね。