JCO版私の履歴書 #006 オーガナイジングサービス 岩崎美乃 (文字起こし)

住宅設計から片づけ整理収納のプロへ

これはモデルハウスのキッチン収納の写真なんですけど、建築の方の収納の写真を今日は紹介したんです。女性建築士ということで、水回りとか私に合ってるわ!とか使いやすいわ!とお褒めていただくんです、とてもありがたいんです。
でも自分の家となると、郵便物や書類が『ジプシー化』するというか、あっちに行きこっちに行きみたいな。モヤモヤっとするものがあって。そしてそれを片づられないのは自分が悪いんだな。自分の性格なんだな。と思っていた。
それで2009年に日本ライフオーガナイザー協会が立ち上がったばっかりの頃に、私的には運命的に出逢って、認定講師になったんです。
講師になるための勉強をしている途中に、なんで今まで片づけができなかったんだろう、片づけが私がどうしてできなかったというのが、すとんと落ちたというか、

分かったんですか?

そう。

美乃さんはずっと1級建築設計の家業のもと、それを仕事にお客様の住宅設計もして、お客様に喜んでもらってというなかで、でも自分自身の暮らしの中では片づけ整理収納がずっと苦手だったわけですか?

全部が苦手だったわけではないんですけど、出来るところと出来ないところがあって。なんでできないんだろう・・・みたいな。

その部分がライフオーガナイザーになったことで自分自身のできない原因が分かって、それを伝えたいとなったというわけですか。

そうなんです、それでずっと認定講師の方で活動させていただいているというところがあります。

今住宅設計の仕事っていうのは12~13年前からずっとしていないわけではなくて、結構建築・・・

私的にはくるっとオーガナイザーの方を向いて、建築の方の仕事はほぼほぼ知ってる方から相談を受ける程度です。なので図面を作ったりとか何かをしたりということはなく、オーガナイザーをずっとみてきたというか、そちらを歩いてきたというか・・・

資格を取る前、建築士としての時と、オーガナイザーになってからでは、お客様にアドバイスする上で、大きく変わったことはありますか?

お客様の要望や、お客様自身をもっと知りたいと思うようになりました。建築士としてのヒアリングはもちろんしているんですけど、それだけでは見えない。何だろう、後ろにあるモノを引っ張り出すというのは、ライフオーガナイザーだとかコンサルティング、ヒアリングの大事さというのがものすごく体の中に入ってくるというか、身に沁みるというか。そういう風に感じています

200件以上の建築士としてのプランニング経験と、オーガナイザーとしての知識を組みわせることによって、お客様に満足度の高い家を作っていただくことができるんですかね。

そうですね。この写真では全部が見えないというスタイルをご覧いただいてるんですけど、建築的にはこれが正解とされていて。建築士さんに「収納」と聞くとだいたいこういうのが、収納している、収納と思われる。
だけど。隠してしまうと分からなくなってしまう方もいらっしゃるので、そういう方には逆にオープンで見える収納。カゴとか収納用品を使いながら見える収納にした方が、探しやすく戻しやすいという方もいらっしゃいますよね。なので人の後ろというか、その人の癖、もっとその人と家をマッチングさせていけるという、いい仕事だなと思うようになりました。

ちなみにこの写真はモデルハウス?

そうです、モデルハウスです。

いつぐらい?

これはオーガナイザーになる前なので、13~14年前です。

この時期は一般的に住宅業界でもそうだし、美乃さんとしても収納を多く作るというのはこういうのを作るというような。

お客さんの要望で、フルで造るとこういうものができますよ。というモデルハウスです。

ここからお客様に合った収納計画、家づくりという方向にどんどん変わっていったということですかね。

そうですね。変わって行きましたね。

でも今は建築設計の仕事よりも、オーガナイザーとしての仕事がメインということですよね。でも設計士の仕事を直接はしていないけど、いろいろ図面を書くことを教えたりなど関連のお仕事はされているんですよね。

はい、ライフオーガナイザーになって10年経ち、建築業界の中でも牛歩の歩ですけど、いろんなところで「いいよいいよ」って少しずつライフオーガナイズを紹介しています。私も建築士会で、役員や会合をさせていただいている中でもアピールをさせていただいてたりしているんです。
なのでこれから建築業界にライフオーガナイズが必要になってくるんだろうな。両輪のように回っていくような形に変わっていくんだろうなって思っています。

女性が活躍する時代を!なんて何十年も前から言われていながらも、住宅設計や特に職人さんがいる現場になってくると、どうしても男性の世界というのが、いまだやっぱりそこはなんか男女平等というところにはなかなかいかないけど、それでもそこに広めていくという中で、男性とか女性とか関係なく、必要なものは必要と少し認知されるようになってきているように感じますけど、美乃さんはそういう手ごたえ感じられてますか?

そうですね。はい

モノと場所のサイズ感が全然違うスペースって多いんですけど、そういったことがこれから緩やかになくなっていく状況になるんでしょうかね。

そうですね。収納はたくさん作ればいいとか、隙間があったらそこを収納にしようとか。そういうことではなくなってくる